キーンベック病体験記 その6「優しさに感涙する」

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術後2日目からリハビリが始まりました。

そして早々にギプスを外し、通気性のある装具に変わりました。

これは皮膚の弱い僕にとって非常にありがたいことでした。

リハビリで左手をマッサージしてもらったり、徐々に動かす練習をしました。

最初は指を曲げることもままならず、激痛が走りました。

しかし、左手全体や手の腱をゆっくりともみほぐしてもらうと

少しずつ、本当に少しずつですが、動かせる範囲が広がるのが分かりました。

可動域を広げる、ROM訓練って奴ですかね。

実際にリハビリの前後では左手の軽さが全然違いました。

靴下を上げれない、茶碗を持てない。

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リハビリが始まったのは良いものの、

普段の生活では左手が使えない不便さと痛みとの戦いでした。

特に物を掴んで引き上げる動作が難しく、

且つその動作では強い痛みが伴いました。

特に靴下をなかなか履けず、右手でなんとか引き上げるというのがやっとでした。

また、茶碗を左手で持っても痛みが出て、持てませんでした。

初めて体を拭いてもらう。

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入院後、手術直前のシャワー以外は風呂に入れませんでした。

その代わり看護助手さんが蒸しタオルを持って来てくれて、体を拭くことができました。

手術の翌日は年配のいかにもベテランの看護助手さんが

「タオル、ここに置いておきますね。自分でできますね!」

と、有無を言わせないような圧倒的采配でベッド横の椅子にタオルを置いて立ち去る、という状況でした。

まあ、右手が動くからなんとか拭けましたが、背中とかはさすがに拭けなくて、諦めていました。

しかし、その翌日、別の看護助手さんが

「左手、痛いでしょうから背中だけでも拭きますね」

と言って下さったのです!

僕にはその看護助手さんが天使に見えました。

ベッド周りのカーテンを引いて、あったかい蒸しタオルで背中を拭いてもらう、

至福の時でした。

そしてなんとも、

申し訳ないなぁ、

という気持ちでいっぱいになりました。

看護助手さんに

「申し訳ありません」

と言うと

「いいんですよ。左手手術されて利かないですもんね」・・・、

看護助手さんの優しい言葉にジンときて、少し目が潤みました。

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