介護業界こそICTを積極的に導入せよ。

介護業界に20年以上いてしまっているが、この20年で底辺と言われている介護業界も激変した。
措置から介護保険制度に変わり、職員の処遇も大きく変わった。
しかしながら、悪習というか変わらないものもある。大人の事情があり、変わらないものもある。

介護報酬の請求はやっとADSL以上でのネット請求ができるようになってきたが、つい最近まで、いや未だおそらく大半の事業所がISDNでの伝送請求である。
もう一回言う、未だ「ISDN」を使っているのである。
光回線が主流となりつつ今もISDNを使い、某団体の寡占ソフトで請求を行う。全く馬鹿げている。
誰かが利権を食い物にしている、そう思わざるを得ない。

 

さらに、介護業界は未だ紙ベースで仕事を遂行させていることが多々ある。
利用者に交付する、介護サービス利用予定の票(予定票)。利用者へは紙でも良い。しかし、事業所にも同じ紙で持参をしている。持参しているのである。それでなくても多忙で安月給、責任を大きく負わされるケアマネージャーが利用者が利用している事業所にわざわざ持参しているのである。

事業所に持参する紙は提供票と呼ばれるが、この提供票は地域でネットワークを組んで共有するとか、せめてメールで添付して送信するとか、そうやっていかないと、ケアマネージャーの業務ばかり増えて、成り手が確実に減る。このことだけではないが、もっと業務負担を軽減しないと、これから先もっともっと介護業界が底辺業界と呼ばれてしまうことになるだろう。

 

提供票を受けた事業所も利用者が確実に利用したか、チェックをして実績としてケアマネージャーに持参する。これもまた持参するのである。地域でネットワークを組めば一瞬にして終わる業務が毎月始めの1日を費やして行われているのである。持参する職員が必要であるため、その分現場で介護を行っている職員が少なくなる。

介護現場でも紙ベースで業務が行われているところが多い。利用者の変化は多種多様である。しかしながら日頃の様子を記録し積み重ねていけば、それは立派なデータベースとしてなり得る。
「パソコンが苦手だから」という年配女性の職員が必ず言うが、そんな職員にはタブレットを使用させよ。ひらがなで入力できるではないか。しかもタブレットはタッチパネルだからPCより扱いが楽で、文字のズームアップもできるから、よりシルバー向けである。

他にもまだまだ活用できる場面がある。介護業界こそICTを積極的に導入すべきである。