悪い感情に囚われない方法

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人間は感情の生き物だ。感情が無くなればただの動物になる。
しかし、感情に囚われてしまうと自ら死を選んでしまうこともある。

仕事で家庭で、様々な出来事に対して様々な感情が湧いてくる。良い感情もあれば悪い感情もある。
出来ることなら良い感情だけを持って過ごせていけたら、と常々思う。だけれども残念ながらそうはいかない。
それならば、悪い感情を出来るだけ少なくする方法はあるのか、悪い感情にいつまでも囚われない方法はあるのだろうか。

僕の場合、仕事での悪い感情に囚われてしまうことが多い。職場での人間関係で起こることに対して湧き立つ感情。正直言って、良い感情というのはあまりない。悪い感情に本当に囚われしまっている。
ささいなことで思い出し、感情に囚われ、頭の中を支配され、無限ループ地獄に陥る。本当に嫌なことだ。

そんな悪い嫌な感情にいつまでも囚われない方法を探して、今回は以下の本を読んでみた。

出来事に対する「型」を知る。

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私たちは毎日いろんなストレスに出会い、それを上手にかわしたり、生かしたりしながら生活しています。その対応を見ていると、一定の型があることに気づきます。その対応方法を意識して使うことができるようになれば、毎日の生活がずいぶん楽になってきます。(P109)

 

僕自身、職場での感情は「押し付けられている」気持ちがとても強いように感じる。仕事を押し付けられ、責任を押し付けられ、結果はいつも酷評される。そんな気持ちがいつも強いからそれが「型」になってしまっている。

 

ストレス対処の基本型を意識する

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「型」というのはどんな分野でも大事なことだと思う。僕は小学生の頃、剣道と空手を習っていたが「型」は徹底的に覚えさせられた。型は習う時はつまらないものだったが、型が身に付いていないと攻めも守りもろくにできない。そして応用がきかない。型がしっかり身に付いていると所作が美しく、応用がきく。そして自分らしさもそこから派生する。

感情をコントロールする型もそういうことなのだろう。
ストレス対処の基本型は、

変調(気分、行動、身体)⇒気づき⇒問題⇒気力が出ない⇒想像上の問題(考えすぎ)⇒現実の問題⇒自分らしく生きる

気力が出ない⇒休養・気分転換(行動活性化)
想像上の問題(考えすぎ)⇒考えを切り替える(認知再構成法)
現実の問題⇒問題に対処する(問題解決スキル)(相談)

となっている。
僕の場合、おそらく想像上の問題、考えすぎなのかもしれない。
「仕事を押し付けられている」「責任を押し付けられている」「押し付けられた仕事を一所懸命やっても、いつも結果は酷評される」こんな風にいつも思って仕事に対する熱意を失ってしまっている。
考えを切り替えられたら、どんなに楽だろうか。

 

こころが軽くなった行動を振り返る

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気力が出ないとき、休養や気分転換が必要だが、自分が行った気分転換の方法が果たして本当にこころを軽くしているか。僕の場合、気分転換でアルコールに走ることも多い。それでこころが軽くなったのか、とは言えない。逆に体はしんどくなるし、重たい気持ちはそのままだ。アルコールの力を借りて一時的に忘れるだけだ。子どもと一緒に遊んだり、サイクリングしたり、ブログを書いたりすると気分がスッキリすることもある。

「やって良かった」「こころが軽くなった」と思える行動を増やしていくと、こころに元気が戻ってきます。

自分の行動を振り返る=セルフモニタリングの用紙「習慣活動記録表」がサイトに掲載されているので、これはぜひ活用したい。

認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング(ここトレ)」

 

認知再構成法(コラム法)でこころを軽くする

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怒りとか悲しみだとか諦めだとかの感情に囚われている時は、マイナスの考えがループしている。
「また仕事を押し付けられた」「結局、酷評される」「悪口を言っているに違いない」

僕が自信を持って気持ちよく生きていく上で必要なスキルは、間違いなくアサーションと認知再構成法だと思う。
アサーションについては別の機会に述べたい。

認知再構成法(コラム法)は、書くことで考えと気持ちの整理ができる方法である。
コラム法にも「型」がある。
7つのコラムにしたがって書いていくと考えと気持ちの整理ができる。

第1のコラム:状況「どんなことが起こりましたか?」
第2のコラム:気分(%)「どのような気持ちですか?」
第3のコラム:自動思考「どのような考えが頭に浮かびましたか?」
第4のコラム:根拠「考えを裏付ける事実は何ですか?」
第5のコラム:反証「反対の事実はありますか?」
第6のコラム:適応的思考「しなやかに考えると?」
第7のコラム:今の気分(%)「気分は変わりましたか?」

 

ただ考えを切り替えたからと言って、すぐに気持ちが楽になるわけではありません。適応的思考を書き出してはみたものの、どうも腑に落ちないということもあるでしょう。
(中略)また考え方を変えても、問題が残っていれば、こころの重さは残ります。こころが折れそうにもなります。
しかし、そうした時でも、次に進む道筋が見えてくれば、踏ん張ることができます。
こころの中で激しい雨が降っているとき、コラム法を使って、スッキリした青空が広がればそれに超したことはありません。
しかし、仮に晴れ間が出てこなくても、西の方の空が少し明るくなってくれば、こころが少し軽くなってきます(P416〜P417)”

 

これこそが認知再構成の醍醐味だと思う。いっぺんに物事が解決することはそうそうない。気分が一気に晴れることもあまり期待しない。だけれども、少しずつ解決することはできるし、「陰の中に陽を見つける」こともできるのだ。

「仕事を押し付けられた」と感じているが、コラム法を使って考えると、僕は職場では、他の人が出来ないことが出来る存在であり、頼られている人間である証拠、なのかもしれない。

酷評は出来ない人が出来る人への嫉妬でもあるし、好意的に考えればアドバイスでもある。僕の悪口を言っている人がいるのは事実だが、それは出来る人への嫉妬と考えれば、気持ちが楽になる。自分に自信を持っていい、と思えるようになる。

まんがで読みやすいし、認知行動療法を学ぶきっかけにはうってつけの本である。

特に認知再構成法(コラム法)は、自分の考えと気持ちの整理ができる。気持ちよく、自分に自信を持って生きていくには学んで損はないと僕は強く感じてる。