九州人のソウルアイス、ブラックモンブラン。
(画像は竹下製菓HPより)
幼少の頃、実家の近所に駄菓子屋があった。
老夫婦が営まれていた、その駄菓子屋にはいつも近所の子供達のたまり場になっていた。
子供達に人気だったのは、10円玉でできる新幹線ゲーム、ハムカツパン、ペプシ、かんしゃく玉、ブラックモンブラン、ミルクック、ポテトチップ、かっぱえびせんなど様々だった。
みんなで新幹線ゲームをして、ペプシ買って、瓶を振ってわざと泡を噴出させたり、かんしゃく玉を向いの家の壁に投げつけて、下校中の女子高校生を驚かせたり、宇宙戦艦ヤマトの主題歌を歌いながらハムカツパン食べたり、牧歌的で幸せな日々だった。
ブラックモンブランやミルクックは定番のアイスで、確か1個50円だったと記憶している。
食べ終えた後の棒に当たりがあったりして、食べるのが楽しみだった。当たったらただでもう1本ブラックモンブランが食べれるのだ。
その駄菓子屋には子供達みんなが知っている「裏技」があった。
アイスケースの底の方からブラックモンブランを取れば、必ず当たりが出る。
僕も例にもれず、アイスケースの底の方からブラックモンブランを取り、当たりを3回続けて出した事があった。
ところが、裏技は長く続かないことが明らかになった。
4回目の当たりを出そうと、駄菓子屋のおばちゃんに当たりと書いてある棒を渡すと、
「今度はおばちゃんが取ってやるけんね」
とアイスケースの上層の方からブラックモンブランを取ったのだ。
4回目の当たりはなかった。
それ以来、僕はうまみのある話は長く続かないのだ、と学んだ。
ところで、長崎の実家を出るまで、ブラックモンブランは全国にあるものだと信じていた。
ブラックモンブランのみならずミルクックもそうだと思っていた。
しかし、大学時代を過ごした愛知県ではお見かけする事がなかった。
九州に戻ってきて、ブラックモンブランを見かけて「あぁ、戻ってきたなぁ」としみじみ実感したものだった。
九州定番アイスのブラックモンブランは贈り物にも良い。
中部地方に住む友人にブラックモンブランのセットを贈ってやったら、とても喜ばれた。
「九州じゃこんな美味しいアイスが食べれるんだね」と。
幼い頃から僕ら九州人の身近にあったブラックモンブラン。これからもお世話になります。
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