1週間主夫をやって感じたこと。

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妻のお母さん、つまり義母が亡くなった。
15年くらい前から入退院を繰り返し、2〜3年前から特別養護老人ホームに身を寄せていた。
そして去年からはコミュニケーションをとることも難しくなっていた。

亡くなる1週間ほど前、特養の看護師さんから「もうそろそろ覚悟を決める時期かもしれません」と言われた。
それから妻は特別養護老人ホームの個室で義母と最期の時を過ごした。

その間、僕は小学3年の息子と自宅で生活を送った。家事炊事、息子の学童の迎え等すべて僕が担うことになったのだが、改めて主婦の大変さを感じた。そして日頃これらのことをやってくれている妻に頭の下がる思いだった。

わずか1週間あまりだったが僕は仕事をしながら主夫をした。

主夫の朝は早い。
5時台に起きて、朝食と自分の弁当の用意。それから自分の朝食と身支度を済ませておく。
7時になったら息子を起こして洗面と着替えをさせる。
息子に朝食を食べさせ、忘れ物がないかもう一度時間割とランドセルの中身、学校に持っていくものを確認する。
息子のトイレと歯磨きを終わらせて、登校させる。
そして急いで僕は車に乗り込んで通勤する。

仕事が終わると猛ダッシュで車に乗り込み、学童に迎えに行く。18時を過ぎてしまうことがほとんどだったので延長料金150円の支払い。
自宅に帰る前に夕食の買い出し。
帰宅して洗濯物の取り込み。風呂掃除をし、夕食を作る。その間に息子が宿題が終わってなかったら宿題を済ませておくように指示する。
息子と一緒に夕食を食べた後は、夜のうちに洗濯を済ませておく。
それが終わったら息子と風呂に入り、遅くとも21時半までには息子を寝かせる。
息子が布団に入った頃から学校と学童の連絡帳に記入。取り込んでいた洗濯物をたたみ、しまう。
茶碗を洗って、翌日分の米を仕込み、息子が学校に持っていく麦茶を沸かしておく。

やることが次から次にある。ゆっくりできる時間がない。
これを毎日やってる世の主婦は本当に偉い、そう思った。
メシがまずいだの、いろいろ奥さんに文句を言う男どもは、1週間奥さんがやってる家事炊事をやってみたらいい。
どれだけきつくてやることがたくさんあって、自分の時間が少ないか。

メシがまずいって言うなら自分で作ってみろ。日頃ご飯を作ってない男だったら計量カップがどこにあるか、それを探すことから始まるだろう。

僕は精神障害者生活訓練施設や認知症グループホームに勤務した経験から、料理は割と作る方だと思っていたが、甘かった。毎日作るということは本当に大変だった。

メニューはそんなに苦労しない。苦労するのは「量」だ。ご飯もおかずも余る。余るからご飯は冷凍にして、おかずはタッパーなどに入れて冷蔵庫にしまう。ご飯は良いとしてもおかずは早く食べないと腐る。しかし、何日も同じものは食べたくない。できれば早く食べ切りたい。

主婦の皆さんがダイエットできないのがよく分かる。
「量」のコツをつかむのには時間がかかった。

さいわい、息子はあまり文句を言わずに僕の作った食事をよく食べてくれた。
食べてくれる人がいる、ということは次のモティベーションにつながる。
僕も妻の作った料理は文句を言わずに食べようと心から誓った。
文句を言いたくなったら自分で作る。

わずか1週間あまりだったけれど、たくさんの気づきがあった僕の主夫週間。
改めて妻への感謝の思いが募る。

そして妻と出会わせてくれたお義母さんに本当に感謝している。

「お義母さん、ありがとう」