矢面に立つ勇気。

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リーダーと呼ばれる位置に何度か就いた。

僕なりに頑張ったが、僕にはリーダーに必要なものが致命的に欠けていた。

だから、リーダーになっても躓き、挫折した。

「矢面に立つ勇気」

これに欠けていた。リーダーになりながら、一番大事な要素を持とうとしなかった。矢面に立つべき場面で逃げていた。当然ながら部下や上司からの信頼は失墜した。

矢面に立つ場面から逃げたことで、僕自身も大いに後悔した。こんなに弱い人間だったのか、と。そして代わりに矢面に立ってくれた人に申し訳なくて仕方がなかった。

今でもそんな場面に遭遇する時があり、胸がドキドキする。しかし、実際やってみたら何でもなかった、ということもよくある。

松下幸之助の言葉に「矢面に立つ精神」というのがある。

「人間が大事に際して、その難局の『矢面に立つ』ということは、人生としてはおそろしいことであり、大変に勇気のいることである。

しかし、敢然としてその矢面に立つことも男子の本懐と喜んで事に当たることも大切である。

そしてそういう人こそ、大事において、うろたえず、ものを決断することのできる人であり、人多くして人なき社会において、本当の人物として立って行くことのできる人であるという思いがする」

松下幸之助ですら「矢面に立つということはおそろしいことであり、たいへん勇気のいることである」と言っている。

しかし、矢面に立つことを繰り返すことで決断できる人、本物の人として、あれほどの人物になったわけである。

僕自身、リーダーになることは批判・非難され、悪口を言われ、責任ばかり負わされ、何のメリットがあるのだろうと感じていた。苦しいことが多かった。

リーダーに抜擢されること自体は光栄なことである。人として見込まれている、ということである。

そして、リーダーという位置に立たなければ分からないこと、経験できないことがたくさんある。

リーダーになったからこそ、人として成長できる機会を与えてもらい、魂を磨くことができるのだ。

矢面に立つことから逃げず、矢面に立つ勇気を持ち、人として成長を続けていきたい。