今どきのコインランドリーの充実っぷりに驚愕する。
コインランドリーを久しぶりに利用した。
独身時代に洗濯物を溜め込んで「明日履くパンツがない」という状況で、真夜中に当時住んでいたアパートの近所のコインランドリーに行ったことがあった。
真夜中だったので、利用している人は少なかったが、身体のいかつい人が丁寧に服をたたんでいた。丁寧なたたみ方にとても違和感を感じたのだが、時折二の腕からチラチラ見える刺青から察しがついた。近所に某組の事務所があったのだ。おそらくその組の関係の方だったのだろう。いかつい身体と二の腕の刺青、丁寧にたたまれたシャツ。
明日履くパンツを急いで洗濯して乾燥させなければならない僕は、できるだけ離れた洗濯乾燥機を選んで、隅っこの椅子に座って乾燥が終了するのを待っていた。
コインランドリーに行くと、そんな薄暗い記憶が蘇る。
しかし、先日利用したコインランドリーは、僕の薄暗い記憶を一蹴するほどの進化を遂げていた。
洗濯乾燥機も、洗濯物をたたむテーブルも、何もかも清潔きわまりないように配慮されている。
おまけに「乾燥機利用時にご自由にお使いください」と香りづけのダウニーまで置いてあるではないか。
仕上がるまでの間、ちょっと小洒落た場所で雑誌なんかも読める。
嬉しいことにスマホ等の充電器も完備。
もちろん、無料Wi-Fi完備。
靴専用の洗濯機やおしぼりもある。
今年の梅雨は豪雨もあり、長雨だったので僕が利用した日も、このコインランドリーには次から次へと利用する人が入っていた。近隣の奥様方がほとんどでたまには子育て世代の若いパパも来ていた。
近所には組関係の事務所はない。だから、二の腕に刺青を入れた関係者はここでは見かけることはないだろう。
あの時、丁寧に服をたたんでいた彼の方は今どうされているだろうか。
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