親が後期高齢者になったら定期的に帰省すべし。

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4月の中旬、長崎の実家に帰省した。

約2年ぶりの帰省。

父も母も、僕と妻と息子が帰省するのを心待ちにしていたようだ。

たくさんのご馳走を用意して待っていてくれた。

親が後期高齢者になったら定期的に帰省すべし。

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2年前、母が自転車に乗っていて転倒し、左足を骨折した。

それまで母は畑仕事もバリバリやっていたのだが、骨折してからは少しの距離でも休みを入れないと歩けなくなってしまった。

父はまだ魚屋に手伝いに行けるくらい元気なのだが、随分と耳が遠くなっている。

父も母も後期高齢者(75歳以上)の仲間入りをしている。

 

前期高齢者(60〜74歳)と比較すると後期高齢者の要介護認定率は8倍以上となっている。

 

介護の仕事を長年やっている自分としては「いよいよ自分の親のことを考えなければならないようになってきたか」というのが実感である。

両親の身体の様子について、定期的に観察を行わなければならない、と感じている。

これは実家の段差や風呂、トイレ等の作りを再度見直して見て、特に母の身体の動きに無理を生じさせていないか、という点も併せて見る必要がある。

母の身体の動きを観察し、特に段差のある場所で手すり等があった方が、楽に移動ができるのではないか、と思える箇所の洗い出しを行うことも必要だ。

いずれにしろ、これらのことは年に1回くらいの帰省では無理な話だ。

母のプライドを傷つけることなく、定期的、せめて3ヶ月に1回くらいは帰省して僕なりのアセスメントをおこなっていく予定である。

地元の社会資源、相談できる所を知っておくべし。

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両親が住み慣れた家で暮らし続けるためには、地元の力に頼らなくてはならない。

介護施設はどんな所があるのか、地域包括支援センターはどこにあるのか、リハビリができるデイサービスなどはあるか、福祉用具業者はどこがあるか。

まだ介護認定はうけていないが、母が介護認定を受けなければならない日はそう遠くないだろう。

介護認定を受けるためにはどこに行ってどのようにしたらいいのか。

その時になったら必ず慌てる、いろんな手続きをたくさんしなければならない。

これは介護業界に従事している僕が今まで、たくさんのご家族と会ってきて経験した事例から学ばせていただいた。

だから、今のうちに手を打っておきたい。いざ母もしくは父が介護が必要になった時、慌てずにどこに相談すれば良いかを知っておくだけでも、少しばかりの安心感がある。

幸い地元には介護施設に勤めている同級生の看護師がいたり、再従兄弟が行政にいたりする。そんなネットワークを使うのも手だ。

いずれにせよ、相談できるところを作っておくことが、親の介護が必要になった時、慌てずに済む。

兄弟間で話し合っておく。

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親が介護状態になった場合のことを想定して、兄弟間で話し合っておく。

これはとても大事なことだ。

まだまだ親はそんな状態ではない、という時点から「もし親父が、おふくろが介護状態になったらどうする?」という話だけはしておいた方が良い。

親の介護をする、ということは金銭も労力も必要となる。

偏った負担では、兄弟間の軋轢を招きかねない。親の死後でも尾をひくことが多い。

両親が後期高齢者になった時点で、金銭的な負担や誰がすぐにかけつける、などのことをさわりだけでも話し合っておいた方が、「兄弟は他人の始まり」状態を避けることができる。

まとめ

認知症については触れていなかったが、後期高齢者になると認知症の発症率も高くなる。

それ故、定期的な親との接触ということが肝心になる。

ちぐはぐな会話、同じことを何度も言うなどの症状がみられたら、すぐに専門医や専門機関に相談した方が良い。

身体的な衰えや物忘れの出現は老化現象であるので、防ぎようがないが、軽い状態を長く続ける、進行を緩やかにすることはできる。

そのためには早期に親の心身の異常を発見することが大事である。

親が後期高齢者になったら、定期的に帰省すること。親孝行したくても親はなし、ということになる前に。