涙なしでは見られない、南島原市動画。
故郷は遠きにありて思うもの
故郷の南島原(南高来郡の方がなじんでるが)を離れて30年になる。
高校を卒業するまでの18年間、僕は南島原市に住んでいた。
県都の長崎市までバスで約2時間半。
映画館も無く、大きな書店も無く、日本の西の端の田舎から一刻も早く脱出するのを望んでいた。
高校卒業と同時に家を出た。
周りの同級生も、そのほとんどが故郷から離れた。
そして、あれほど身に染みついていた、抑揚のつきすぎるイントネーションが特徴の方言も、口から出ることがなくなった。
故郷を離れて30年。
インターネットという便利な物を使いこなせるようになった時、僕はいつも故郷の地名を検索窓に打ち込んでいた。
今はもう閉校してしまった小学校、坂を登りきった所にあった中学校。
夏休み、毎日泳ぎに行った海。
友だちと釣りに行った時、僕たちを見下ろしていた、小さな白い灯台。
ちょっとだけ都会の島原に行く時乗っていた島原鉄道。南目線は廃線になってしまった。
そして、フェリーの汽笛。
ネットで僕はいつも故郷を探していた。
実家に戻ろうと思えばできたかも知れない。
でも戻らなかった。
これから先、戻るかどうかは分からない。
故郷は遠きにありて思うもの。
そして悲しくうたうもの。
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