5Gになったら介護現場ではどのようなことが起きるのだろうか?
2020年には第五世代移動通信システム、つまり5Gの時代になると言われている。
5Gは「高速大容量」「低遅延」「多接続」、この3つの特徴があるらしい。
例えば、2時間の映画をダウンロードするのに3秒しかかからない、自動運転が可能になる、リアルタイムなVR(バーチャルリアリティ)が実現する、あらゆるものがネットで繋がる等、現在の4Gではできない、夢のようなことが実現する、というわけだ。
5Gになったら、介護現場ではどのようなことが起きるのだろうか?
5Gが実現すると、「高速大容量」が可能となるので、医療の現場では「遠隔医療」ということが可能になるようだ。
では、介護の現場ではどのようなことが起きるのだろうか?
今、予想されていることをピックアップしてみる。
見守り業務が効率化される
センサーベッドや徘徊探知機等がネットワークに接続され、スマホやタブレットでリアルタイムで確認ができるようになる。今、誰がどこにいるのか、が画面を見るだけでチェックできる。巡視の時に、「〇〇さんがいない」ということはなくなるだろう。
排泄ケアが効率化される
排泄を予測できるデバイスがすでに開発されている(DFree)。予測デバイスとともに、排泄リズムをAIが解析し、適切な声かけやトイレへの誘導が可能となる。
紙ベースで行なっていた記録が減る
すべてのデバイスがネットに繋がっているので、スタッフが対処したことなどはデバイスやクラウド上に記録されることになる。今まで紙で記録していたこと、PCに入力していた事務作業は軽減されることとなる。
居住環境が向上される
多接続であるので、エアコン等にもネットが繋がり、その人にあった室温等が提供できる。
健康管理の把握がしやすくなる
血圧計・体温計がネットと繋がる。排泄回数・排泄物の性状はトイレがネットと繋がることで把握できるだろう。
食事摂取量も食事トレイがネットと繋がることで把握ができる。
入浴時の皮膚観察も常設カメラや眼鏡等から情報を得るようになるだろう。
また、身体の動きから、どの箇所の動きが低下しているのか、理学療法士・作業療法士等がヘッドセット等を着けたり、常設カメラからの情報で把握でき、リハビリの効果も向上すると思われる。
他機関との情報共有がネットワーク化される
利用前や入退院時、利用者の情報共有は全てネットワーク化される。より正確で詳細な情報を得ることができるようになり、利用開始時から適切なケアが提供できるようになる。
IoTが介護現場でどこまで受け入れられるか
あらゆるものがネットワークに繋がる『IoT』
これが現実化すれば、業務の効率化が進み、人手不足の解消の切り札になり得る。
しかし、介護の現場は超アナログ。
いまだに紙ベースが主流。
タブレット見ただけで拒否反応を示す、年配のヘルパーが多数を占める。
拒否反応が強ければ、IoTの導入も難しいだろう。
また、機器の導入にどれくらい投資しなければならないか、これも頭の痛いところではある。
しかし、考えてみればIoT導入により、人手不足を解消できる可能性もあるので、要は人の使い方、ということになってくるだろう。
また、機器の導入については、ぜひ行政からの支援策を検討していただき、現場からも訴えていかなければならない。
時代の変化についていく事業所だけが生き残る
介護業界の人手不足は慢性化している。
しかし、そんな中でも人員が充足している事業所もあるのだ。
教育と経営・運営を工夫し、アイデアを凝らし、若手が集まり夢を語る事業所があるのも事実。
国の施策に翻弄されるとは言え、それに反したら生き残れないのが結果として現れている。
今後、介護報酬は税収が伸びない限り、改善は無いだろうし、外国人労働者受け入れによって、日本人介護従事者の給与も他産業並みになる可能性は薄い。
人手不足の一助になりうるのであれば、5Gになるのを機に積極的にIoTの導入を図り、職場環境の改善を図った方が、生き残る可能性が高いのではないだろうか。
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