介護業界では簡単に管理職を引き受けてはいけない。
人に頼まれて「お願いします」とか言われて、良い気分になることがある。
頼まれたことが自分の得意なことであれば、問題ない。
ところが、出来もしないのに引き受けたり、不得手なのに引き受けたりするバカがいる。
僕のことなのだが。
介護業界では経験年数だけで、管理職になることがある。
僕自身は経験年数だけで管理職となり、たくさん悩んだ。
管理職を引き受けた故、うつ病になり、自死した知人もいた。
そんな悲劇を繰り返してはいけない。
一時の感情で引き受けてはいけない。
人手不足とか、他に人材がいないから、という理由で「仕事を引き受けてくれないか」という依頼が来る。
介護の現場では、経験年数が多いからという理由だけで、管理職を課せられることがある。
他に人材がいないからだ。
「お願いします」と頭を下げられると、誰だって承認欲求が満たされ、良い気分になる。
一時の感情で引き受けしまうが、すぐに後悔する。
管理職の教育も無く、責任だけが大きく問われるからだ。
問われる責任としては以下が挙げられるだろう。
- 利用率、入居率などの数字の責任
- 人材の配置等の責任
- 事故等が起きた時の責任
- 家族との交渉の責任
- 施設設備面での責任
キャリア形成の教育体系が無い介護事業所は危険
介護職のキャリア形成には大きく2つのルートがある。
- 介護職としてのスペシャリストを目指す
- 施設長などのマネージャーを目指す
スペシャリスト養成、マネージャー養成を意識して教育を行っている事業所は、そう多くない。
しかし、意識して行っているところは「人材の確保」を考えている。
目指すべくキャリアに対して、モチベーションを維持出来る仕組みを作っているのだ。
人を集める仕組みを、単に福利厚生といった面ではなく、人を育てることにしっかり取り組んで、他の事業所とは差別化を図っている。
逆にキャリア形成の教育体系が無い事業所は、働く職員としては危険な職場といえる。
管理職教育も無く、経験年数だけで管理職にさせられる。
責任ばかり問われる。
酷い時は悩んで心も病んでしまう。
25年以上介護業界を経験してきた僕も、経験年数だけで管理職になり、悩んで心を病みそうになった。
僕の知人はうつ病になり、自死した。
もう、誰も自死させてはいけない。
転職した方が良い時もある
管理職を引き受けざるを得ない状況もあるだろう。
しかし、責任ばかり問われ、心が病んでしまいそうなら転職した方が良い。
辞めることに対して「無責任」という上司やオーナーがいるのなら「どちらが無責任ですか!」と言い返すべき。
介護業界は引く手数多だし、管理職にならなくても、のびのびと仕事が出来る職場はいくらでもある。
まとめ
- 介護業界では簡単に管理職を引き受けてはいけない
- 一時の感情で引き受けてはいけない
- キャリア形成の教育体系が無い事業所は危険
- 転職した方が良い時もある
介護業界の課題は山ほどあると思うが、人手不足や離職率が高い原因とひとつとして、
キャリア形成教育が稚拙でレベルも低く、しかもなされていない所があまりに多過ぎる、
ということだと僕は思う。
この課題が改善されれば、人手不足や高離職率も改善されると考えている。
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